チャレンジショップ申請書元
これは某所で実際に使用されているExcelファイルです。
ぱっと見よさそうな気もしますが、
実際に入力してみると…
これがかなりのツッコミどころ満載のファイルなのです。
Excelを使いこなしている人が見れば、
Excelをソフトウエアとして活用することに慣れていない、 
紙を扱うのと同じ使い方をしている人が作成したと
一発でわかってしまうのです。
恐ろしいですね。

入力値
どういう所がツッコミどころか、上から説明していきます。
まず日時を記入する欄に西暦なのか和暦なのかの指示がありませんね。
Excelのバージョンにもよりますが、
和暦を入力すると文字列として認識される可能性があります。
シリアル値として認識してほしいのであれば特段の事情がない限り,
日付は西暦で取り扱った方が断然作業が楽になります。
さらに入力規則で入力値の種類とその範囲を定めておいた方がよいでしょう。
入力間違いによる再提出依頼などの無駄なやり取りが発生する確率が
グンと減ります。

オブジェクト挿入
次の項目の申請区分ですが、作成者はオブジェクトで該当するものを
〇で囲ませようとしているようです。
ですがまず、オブジェクトの挿入が面倒ですよね?
Excelに不慣れな人はオブジェクトの挿入の仕方を知らないかもしれません。
加えて、集計時にオブジェクトで囲った箇所を特定し、
データとして集計するのは極めて高いスキルが要求されます。
作成者はそこまで考えていない気もしますが…
改良プルダウン
この場合プルダウンで選択してもらった方が絶対に良いです。
あらかじめ決められた選択肢から選ぶので、
所謂データのゆらぎの問題がなくなります。
これは集計時にとても重要になってきます。

オブジェクト挿入
次に年齢を見ていきましょう。
元のファイルの方は年齢が30という数値データが欲しいにもかかわらず、
赤枠のように余計な(年齢   歳)という文字列を入力してしまっているため、
Excelはこのセルを文字列が入力されていると判断しています。
入力時にもセル選択しなければいけませんし、
集計時にも30という数値が簡単に得られません。
これじゃ誰も得しないですよね。
改良年齢     
そこでセルには年齢を整数のみで入力するよう入力規則でコントロールし、
(年齢 歳)はセルの書式設定の表示形式で表示させると良いでしょう。
改良年齢表示形式 
こうすると、セルには数値の30しか入っていないことになります。
セルに入力されている実際の値と、表示されているものの使い分けができると
集計の際の余計な手間が大幅に省けます。

赤字、赤セルアラート
さらに万が一入力漏れがあった場合、
提出前に入力者が気づけば修正依頼などの余計な手間が省け、
もっともっと使い勝手がよくなりますね。
そこで必須事項が漏れていた場合にセルを赤くしたり、
また特定の個所に文章を表示させることによって、
注意喚起してあげるとより親切です。
条件付き書式
ワークシート関数を条件付き書式に応用すれば、
上の画像のように誰でも気づくアラートを出現させることができます。
加えて、ファイル中の文言や数値、数式を変えてほしくない場合は、
シートの保護をした方が良いでしょう。


先ほどから述べているように、上記の某所で使用されているファイルは出来が大変よろしくないものです。
ですが私がそれ以上に問題だと思っているのは、
このお粗末なファイルを作成した本人は「私はExcelを一通り使いこなせている」と
なんの根拠もなく信じこんでいることなのです。
近年○○の二極化という風に言われることが多いです。
いわゆる上澄みとそうでないものの差が激しすぎるということですが、
Excelスキルに関してもそれはあてはまります。
きわめて機能的でシンプルなファイルを作成できるスキルを持った人と、
上記のようなお粗末ファイルのどこがお粗末もわからないような人の差が激しすぎるのです。
知識も技術もなくそれゆえ無知からの高い自己評価をしてしまう人にどうやってそれを気付かせたらよいのか。
Excelスキルは事務処理能力と相関関係にあることは間違いなく、
そしてお粗末ファイルの某所の仕事ぶりもお粗末であります。
上記はほんの一例ですが、
不思議なことにExcel、特に関数やVBAを長く触っていると、
思考回路に変化が起き、見落としの発生しやすい箇所はどこか、
わかりにくい箇所はどこかなどしきりに探し出すようになります。
ミスが起きそうな箇所にあらかじめ網を張って仕掛けを作っておくというか。
とにかくオカルトではなく、本当にこんな風に考えるようになるのですよ。
何も考えず体裁のみを気にしたファイルより、
相手のこと、後々の集計作業のことを考えて作られてファイルの方が、
使いやすく便利で相手に好まれるだろうというのは想像に難くないですよね。

にゃーこむはExcelの教室ですが、
ここで鍛えられるのはExcelのスキルだけではありません。
思考方法、思考回路の変化によって、
合理的、効率的に物事を考えるスキルも鍛えられます。

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